2001年上半期スケジュール(予定)
 1)2001. 2. 2(金)高橋悠治「さよなら20世紀」(仮題)
           すみだトリフォニーホール
 2)2001. 4    キース・ジャレット トリオ
           全国5回公演
 3)2001. 5    パコ・デ・ルシア・セクステット
           全国13回公演

 3回に渡って、来年上半期の鯉沼ミュージック公演スケジュールの内容について語ってきたが、今回は5月の「パコ・デ・ルシア・セクステット公演」についてである。
 パコ・デ・ルシアの音楽家としての素晴らしさというのは、フラメンコという彼の母国の音楽だけにとどまることなく多面的な魅力を観客に与えられる、その音楽的懐の深さにあるのではないかと僕は思う。
 例えば、97年の渋谷のオーチャードホールでの、ジョン・マクラフリン、アル・ディメオラとの「ギター・トリオ公演」と、翌年同じオーチャードホールで行った前回の「パコ・デ・ルシア・セクステット公演」とでは、それぞれ全く違った音楽的アプローチを見せている。そして、もちろんそのどちらも観客を唸らせる最高の演奏をしている。パコは、全く異なる音楽的魅力を蓄えている引出しを複数持ちつつも、決してそのそれぞれの中に、その個性を埋没させることのない稀有な音楽家なのである。
 前回の「セクステット公演」では、フラメンコの世界を、民族音楽という小さな枠から、ひとつの芸術にまで高めたと言ってよいほどの感動を多くの観客に与え、大成功を収めた。
 本物の素晴らしい芸術家には、受け取る側の好みや文化、環境などを越えて、人を感動させる大きな力があると僕は思っている。
 パコが人選したセクステットのメンバーも、一人一人が独自の音楽的世界を確立している優れた音楽家たちばかりである。その一人一人の際立った個性を、パコが扇の要のようにうまく集結し、パコ独自の音楽世界に導いていっている。こういった技量も、また、パコ・デ・ルシアという音楽家が、ジャンルを越えて世界に認められる理由の一つとなっているのかもしれない。