nathalie
シナジー・ライヴ2003で初の来日を果たすベルギー出身の女流ピアニスト、ナタリー・ロリエ。話題になったピアノ・トリオ作品「サイレント・スプリング」(1999年リリース)後、3年の沈黙をはさんで、昨年の秋に、彼女のクインテットによるニュー・アルバム「トンブクトゥ」が発表された。ここでは、ジャズ・ピアニストとしてだけでなく、作曲家としての実力をも示す作品となった。ヨーロッパらしい内省と抒情性を持つ一方で、現代的な流線型のフレーズを編み出しながら、パッションを発露するナタリー・ロリエ。ベルギーだけでなくフランスでも、「サイレント・スプリング」発売後、優秀なジャズミュージシャンに与えられるジャンゴ賞金賞を受賞し、人気が急上昇している。彼女のことをよく知らないファンの方もまだたくさんいると思うので、改めて彼女にプロフィールを聞いてみた。

1966年10月27日ベルギーのナムール(ブリュッセルの近郊)生まれの彼女は、5歳でピアノをはじめ、12歳から本格的にレッスンを受けるようになった。リエージュとブリュッセル(ここではじめてジャズ科に席を置く)のコンセルバトワールで学んだという才媛である。ジャズミュージシャンとして活躍している彼女だが、最初は、「ニュー・オリンズ・ジャズ」しか知らなかったというから笑えてくる。その後、もっとも影響を受けたのは、ビル・エヴァンスらしい。

 ナタリーは今、6月の来日に向けて充電中だとのこと。たまたまブリュッセルのジャズ・クラヴで、日本のジャズマンが出演していて、それを聴いたらしいが、彼女が言うには、小曽根真のピアノを10年前にライヴで聴いたことがあって、そのエネルギッシュな演奏にすごく感銘を受けたという。「トンブクトゥ」発売後、彼女はピアノ・トリオもさることながら、大きい編成での演奏に興味があるらしく、ブリュッセル・ジャズ・オーケストラ(ベルギーを代表するビックバンド)と明日も演奏する、と言っていた。実は、彼女とこのビックバンドとの共演は最近増えている。昨年は、ブルージュのジャズフェスティバルで、ベルギーを代表するシャンソン歌手、ジャック・ブレルの曲をアレンジして演奏し、大好評を博したらしい。また、昨年の秋には、マリア・シュナイダーを招いて共演するなど、興味深い活動が目白押しのようだ。

ガッツプロダクション 代表 笠井 隆

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