est
 2005年初頭にリリースされたe.s.t. の『ヴァイアティカム (Viaticum)』は、同年ヨーロッパで最も売れたインストゥルメンタル・ジャズ・アルバムになりました。そのアルバムや米公演の高評価の成果か、ヨーロッパのジャズ・グループとしては初めて米ダウンビートの表紙を飾った (06年5月号) ことは記憶に新しいところですが、e.s.t. は『ヴァイアティカム』に次ぐ新作を遂に完成! タイトルは『Tuesday Wonderland』。
 「火曜日、それ自体に特別な意味はないけれど、もしもあなたが日常の些細なことの真価を見い出しはじめたら、火曜日が輝やいて見えるかもしれない」とマグヌス・オストロム。そして彼に同意するエスビョルン・スヴェンソンとダン・ベルグルンドの思いとして、「僕たちのやっている“音楽”は、多くの人々にはさほど意味はないかもしれない。けれどもしあなたがその音楽の中に深く入り込んだなら、あなたは旅をつづけ、あなたの人生を変えるかもしれない旅の中にあなた自身の“ワンダーランド”を発見するかもしれない」といった発言も紹介されていました。
 e.s.t. の楽曲やアルバムのタイトル付けは主にマグヌス・オストロムの仕事だそうですが、かつて彼らはタイトルと音楽の関係についてこんなふうに明かしていました。「僕たちは音楽に流動させようとしている。ちょっとおかしなアルバム・タイトルもそれゆえなんだ」と。そして、99年作『フロム・ガガーリンズ・ポイント・オブ・ヴュー』は、旧ソ連のガガーリン宇宙飛行士が人類で初めて宇宙から地球を見た・・・その時のイメージが気に入り、アルバム・タイトルとアルバムのコンセプトにしたのだそうです。
 “旅に持参する糧食”の意だった前作の表題と彼らの発言を受け、『Tuesday Wonderland』は新しい世界を開き、e.s.t. 音楽の“ワンダーランド”へと導くスピリチュアルな旅そのものであり、聴けば聴くほど聴くのを止めるのが難しくなるようなベストなもの、と伝えられる e.s.t. の10作目。サウンド~内容の詳細についてはまだ不明ですが、エレクトロニクスを導入しサウンド的実験を開始した、彼らにとってターニング・ポイントだった『ガガーリンズノ』以来つづけてきた進化の最新形、新たな発見ができそうな最新アルバム、大いに期待してよさそうです。
 6月〜7月1日は米/カナダ・ツアー、7月末〜8月にはポーランド、フランス、ドイツ、英国で数公演、そして9月下旬からは母国スウェーデンを皮切りに、ドイツ(11月1日ミュンヘンから22日ハンブルグまで15公演!) を中心とする過密な欧州ツアーを行なう e.s.t.。ニュー・アルバム『Tuesday Wonderland』は、ヨーロッパでは9月、日本では10月4日にリリースされます。
keith sound