ザ・バッド・プラス、メデスキー、マーチン&ウッド、ブラッド・メルドーといった今話題のジャズ・トリオのリストに、スウェーデンのe.s.t.を加えるべきだろう。
しかも、e.s.t.がザ・バッド・プラスに対するスカンジナビアからの答えではなく、すでに10年近い実績を持つe.s.tに対するアメリカからの答えがザ・バッド・プラスだと考えるべきだ。二つのトリオは確固たるオリジナルなスタイルを持ち、ロックの繊細さも、若いリスナーを誘惑する特性も持っている。
特にe.s.t.の演奏は、キース・ジャレット、テクノ、ジミ・ヘンドリックスからバッハに至るジャンルを超えたサウンドがルーツとなっている。「どこに行っても観客にぼくたちは近づこうとしている。それに、最近はジャズクラブで演奏する機会がどんどん減り、この秋にはドイツでロックやクラシカルの会場で演奏をしたんだ」とストックホルムの自宅でスヴェンソンは語った。「僕達はビル・エヴァンス、チック・コリア、キース・ジャレットといった多くの伝統的なトリオの音楽を聴き、演奏を始めた。だから、つい2年前までは、僕達はビル・エヴァンス・トリオの演奏により近いものだった。だけど、最近ではどんどん自分達のやりたい音楽に近づいている。自分たち自身が楽しみ、演奏したい音楽をやる。そうやり始めてみたら、そういう音楽を聞きたい人が沢山いることに気づいたのさ」
「僕達は皆ロックンロールな男達だ。メンバー全員がジャズに落ち着く前はロックを演奏していたんだ。新しい世代は音楽のジャンルに対してよりオープンなんだと思う。ロックでもクラシックでもジャズでも気にせず、本物で良いものであればジャンルに関わらず聞きたいんだろう」とスヴェンソンは付け加えてくれた。
e.s.t.は、明らかにヨーロッパのファンが聞きたい音楽を提供してきた。その結果、彼らの前作「Strange Place for Snow」は、イギリス、ドイツ、フランスとアイルランドでトップ・アルバムやトップ・バンド賞を獲得し、2003年BBCジャズアワードのInternational Actも受賞するに至った。「ジャズ・プレイヤーたちは通常のジャズの範疇を超えて多くの聴衆に訴えるのがあまりうまくないように思う。でも、それこそ僕達が挑戦し続けていきたいことなんだ」とスヴェンソンは語ってくれた。
 
NEXT
TICKETING
BACK