エスビョルン・スヴェンソン インタビュー 2003年10月ドイツにて
(*IN….インタビュアー  ES….エスビョルン・スヴェンソン)

IN:あなたは家でシンセサイザーも使うし、ダンはエレキ・ベースも弾く。となると、これをトリオで使う可能性もありますか?

ES:絶対にやらない!とは、言うべきではないだろうけど、エレキ・ベースはダメ!このトリオを構成するものはピアノとアコースティック・ベースとアコースティック・ドラム。つまり、e.s.t.の基本は”アコースティック楽器”だ。そして現在は、エレクトロニクスがそれに加わっている。言い換えれば、僕らの興味は、アコースティック楽器を”電気化”すること、そしてそのサウンドをもとに、さらにエレクトロニクスを使ってエフェクトでいろいろ試すことにある。もちろんそれ以前にやるべきこと、たとえば、マグヌスは種類の異なるいくつものベルや特殊なシンバルなどを使い、僕はいろいろなやり方(ピアノの弦を指で弾いたり擦ったりスライド・バーを使ったり)でピアノの音を出し、ダンはボウ(弓)を使った独特のプレイで、それぞれの楽器が本来持っているものを生かしながらパーソナルなグッド・サウンドを求めている。このやり方はたぶん将来も変わらないだろう。

IN:このトリオで成し遂げたいこと、とは何ですか?

ES:月並みな言い方かもしれないけれど、僕らの唯一の目標は良い音楽を作ること。もちろん、僕には家族がいあるから生き残るためにある程度のお金も欲しい。e.s.t.の音楽を発展させながら、自分でも満足できるプレイをしたい。これが僕の目指すものだ。僕がやるべきことは音楽に集中すること。それ以外の商業的なこと、たとえばツアーやプロモーションなどのことは、レコード会社やマネージメント・サイドにまかせたい。

IN:音楽を演奏することで人々に希望や感動を与えることができるというのは素晴らしいことだと思います。

ES:エゴイスティックに聞こえるかもしれないけれど、僕は自分とトリオのために曲を書いて楽しく演奏したいと思っているだけなんだ。僕らのエネルギーが多くの人々に伝わるのは素晴らしいこと。でも、みんなに喜んでもらうために自分はどうしたら良いのか?なんてことを考えていたら自分自身は満足しないし、良い結果も得られない。だから、まずは自分が楽しめることをやる。すべてはそこからはじまるのさ。そして、時には決断を迫られる。それでも、他人の評価を恐れずに、自分でやりたいことを自分のためにやるべきだ。  ただし、ここでひとつ言っておきたいことがある。僕はいつもステージに上がると、オーディエンスの放つとてもたくさんの愛とエネルギーを感じるんだよ。そしてそんな時には、自分の人生もまんざらではない、また仕事をやろうという気になる。つまり、お互い様なんだ。言葉にするのはちょっと難しいけれど、僕らのまわりにはそこら中にいろいろなインプットやアウトプットがあってエネルギーも充満している。だから、最も重要なのは、わがままはやめて何に対してもオープンでいるということだ。

Interview & text 丸山礼司  (JAZZ LIFE2月号より抜粋)

JAZZ LIFE編集部に許可を得て転載しています。無断転載、転用をお断りします。
 
NEXT
TICKETING
BACK