ニューオルリンズに誕生した管楽器中心のジャズにヨーロッパの伝統的な楽器であるピアノが加わることにより、音楽的にも商業的にもジャズは大きく飛躍しました。 そして、ピアノ・トリオという形式を確立したバド・パウエル。主役のピアノと伴奏者という制約から解き放たれ、3人対等の立場で繰り広げる演奏方法を生みだしたビル・エヴァンス。その形を極限までつきつめたキース・ジャレットにより、20世紀のピアノ・トリオは熟成度の高い音楽に成長し、現代に至っております。 |
20世紀初頭にアメリカで生まれ、100年かけて円熟を迎えたジャズが21世紀にどう変化・成長するかが大変に興味深いことでしたが、21世紀も4年目に入った今、新しいジャズが大きく息づいていることを我々は感じざるを得ません。しかも、そのジャズの新しい風は、誕生の地アメリカではなくヨーロッパから吹き始めていることに私たちは気がつきました。 2003年6月に私共が企画制作したThe Synergy Live2003をご覧になった方は、出演した7グループの斬新で高度な音楽性に触れ、驚かれたことと存じます。 アメリカから渡ったジャズが、ヨーロッパの新世代の音楽家たちの手で逞しく育てられ、全世界に羽ばたき始めていることを、私たちは実感致しました。 古くからクラシックを生み育てたヨーロッパでは、長い歴史を持つピアノ演奏家に優れた人材が集中しています。その現代ジャズの潮流の中でも、世界中から圧倒的な高い評価を受けているのがエスビョルン・スヴェンソン・トリオ(e.s.t.)です。 それも、単にジャズ・ジャーナリズムという狭い範疇で語られるのではなく、ニューヨーク・タイムズ(米)、アルゲマイネ(独)、ル・フィガロ(仏)、ザ・タイムス(英)など、一国を代表する新聞がこぞってe.s.t.の登場に驚き、惜しみない絶賛のエールを贈っていることが何より彼らの高い音楽性と人気を証明するものです。 中でもニューヨークタイムズの“ジャズとは何かではなく、ジャズはどこまで可能かを示すことが出来るグループである”という批評は見事に彼らの音楽を言い表しています。 現代最高のジャズ・ピアニスト、キース・ジャレットもスヴェンソンの才能に着目していますが、そのキースを継ぐ世代の代表がスヴェンソンだということは最早疑う余地のない事実です。 母国スウエーデンではジャズ・チャートのみならずポップ・チャートの上位にマドンナやレディオヘッドと並んでランクインする程高い人気を得ている彼らの音楽は、単にロックやジャズのみならず、先端のポップ・ミュージックやリズムンべースの要素も加わっています。 e.s.t.は結成以来10年間メンバー・チェンジも無く、今までのステージでも同じPAエンジニアが担当しております。 このように、音楽以上の固い信頼の絆で結ばれていることが、オリジナリティ溢れるe.s.t.サウンドを完成させたことは言うまでもありません。 The Synergy Live2003では、ワンステージ50分の演奏でしたから、彼らの魅力を垣間見ることに留まりましたが、今回、2時間のステージを体験することにより、ようやく彼らの全貌に触れることが出来るわけです。 私共は、全世界が注目する現代最強のユニットe.s.t.のサウンドをお楽しみいただけることと確信しております。 |